野球 蜜柑主将×元・鴎小町
更新日: 2011-04-30 (土) 10:19:09
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )74ガ オオクリシマース!
ナマモノ注意。
里予王求 蜜柑主将×元・鴎小町
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翼と引き換えに、憧れの地に来ることができた僕は。
孤独と戦う程、強い心を持っていなかった。
「………」
誰もいないロッカールーム。
他の面々は、各々談笑しながら帰っていった。
溜息すら出やしない。
憧れの地。
海風の香る街を捨てた僕。
心の休まる暇のない生存競争。
力の出ない翼。
今の僕にとっては、全てが重圧でしかない。
「あ、まだおったんか」
「……!」
豪快な、という形容詞がぴったりな人が、いきなり後ろから現れた。
練習熱心だとは聞いていたけれど、さすがにもう帰ったと思っていた。
「何や、着替えもせんと。明日も試合やのに、風邪引いたら困るで?」
「………」
年はいくつも変わらない。
でも、僕は言葉を返せない。
自分とは正反対な、大柄な体と色の濃い肌に、得体の知れない感覚を覚える。
「……あなたには」
「ん?」
「あなたには……今の僕の気持ちなんて分かりませんよ…」
目線を合わせられない。
威圧感?カリスマ的なオーラ?
胸が苦しい。
「やっぱり、それで悩んでたんやな」
「………?」
ふと顔を上げると、額がくっつくくらいの距離にいた。
近くで見ると、穏やかな目なのに、視線に射抜かれそうだ。
「気付くわ、そのくらい。外様とは言え、ここの主将やからな」
「……外様」
「俺がここに来た時は、もっと悲惨やったの知っとるやろ?」
「……それは」
確かに状況は僕の方がマシではある。
けど、この人は結果を受賞というカタチで残した。
それ故、今は主将という地位にあるのだから。
「根詰めて考えすぎんなや?可愛い顔が台無しやで」
「ちょっ……」
急に近寄られたと思ったら、自分の視界は不明瞭になった。
不明瞭な目前を、射抜かれそうな視線に支配される。
試合中ハードに動いた時でさえ、感じることのない異様な拍動。
痛みで体が震える程の、強いオーラ。
小さいとか、可愛いとか、言われることは嫌だったのに。
この人に言われると、何故か嬉しかった。
「ほな、飯でも食いに行こか」
「………はい」
翼をなくした僕でも。
同じく、翼をなくした人のように。
なれるような気がした。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)74デシタ!
小町の口調がいい加減ですι
つか、主将が関西弁だったかも曖昧…
どっちも鳥軍団の人々でした。
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