夕暮れ時のでっかいどう
更新日: 2011-04-30 (土) 10:15:59
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| 突発的すぎる某でっかいどう出身の少年たち
| オリジナルssだモナ
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 北海道弁って可愛いよね…という個人的趣味を込めて
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 私はホカイドー出身者じゃないので
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 方言の間違いはミノガシテホスィ…。
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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「チャリぎられた……」
突然青い顔で押し黙るものだから、何かと思えば……。
そばにいた笹森はゆっくりした動作で無事だった自分の自転車の鍵を開けた。
「カギかっとらんかったの?」
「かっといたよ。輪っかも付けといたのに!あーっ、くそっ!」
「どっかにどかされたとかないの?よくあるしょや、警備員さんとかに」
自分の自転車を押して歩き出した笹森の背中をちらと見て、伊勢谷はしばらくその場を
うろうろと歩き回ったが、目当てのものは見つけられずじまいだった。
ぷりぷり怒りながら笹森のあとを追いかけて、腹立たしげに鼻にしわを寄せる。
笹森が「鞄、カゴに入れれば」と申し出るとほんの少しだけ不機嫌そうな表情が
和らいだが、それまでだった。
さっきまであんなにおだってたのが嘘みたいだ。
笹森は隣を早足で歩く伊勢谷の顔を覗き込むように見つめた。
伊勢谷の日に焼けた頬を燃え立たせるように照らしていた空の赤色は、
ふたりが歩を進めるたび次第に明度を落としていった。
悔しそうな伊勢谷にかけられるような気の利いた言葉を探したが、どれも気休め、
下手すると余計に神経を逆撫でしてしまいそうな言葉しか見つからなかったので、
伊勢谷の気がすむまで黙っている事にした。
無造作に学生服の上着を脱ぐと、笹森は自分の自転車のカゴの中にそれを放り込む。
ややあとに、伊勢谷の上着がその上に重なった。
「……やっと新調したチャリだったのになぁ」
「しょーないしょ。また新しいの買えや」
「やー、いたましい。貴重なぜんこ、無駄にした」
「またお手伝いに精出せばいいしょ」
伊勢谷のすねた舌打ちの音が聞こえると、笹森は思わず笑みをこぼした。
日は傾きかけ、ふたりが歩く小道にも長い影がかかる。
青々とした畑の緑がぬるい風にさらさらとなびき、ふたりの髪を揺らした。
「ほれ、伊勢谷、後ろ乗れや」
それまで自転車を押して歩いていた笹森がサドルにまたがり、そう伊勢谷に促すと、
ようやく伊勢谷は日に焼けた頬に人懐っこい笑顔を浮かべた。
勢い良く飛び乗ってきた伊勢谷の重みによろめきながら、笹森がペダルを漕ぎ始める。
3つ年上の兄のおさがりである自転車は古く、ふたりぶんの体重に悲鳴を上げて
ふらついていたけれど、ふたりは気にしなかった。
ぬるい空気が自転車の速さに冷やされ、ふたりの火照った頬を撫でていく。
はしゃぐ伊勢谷に悪態をつきながら、笹森も楽しげにペダルを踏む足に力をこめた。
「あんなぁ、あれ、桃子んとこ、知ってるべや?阿部さんとこの家。
犬のこっこ生まれたんだって。見に行く?」
「今から?」
「うん。したっけ、良いのがいたらなんぼかくれるって」
「ほんとに?犬欲しいなあ」
「おめぇはまずチャリだべや」
伊勢谷の不満げな声を背に聞きながら、笹森は笑みを浮かべた。
あいつの事だ、犬かチャリかと聞かれたら―――
犬だ、と答えるだろう。
たくさんの子犬に囲まれて顔をだらしなくふやけさせた伊勢谷が目に浮かぶようだ。
もとの垂れ目がさらに垂れる様子を想像して、笹森は一人ひそかに吹き出した。
「したっけ、犬見たあと家に寄ってけや。うち、確か今日ザンギだから」
「ほんとに?やった。行く。お前の母ちゃんのザンギうまいもん」
日は落ち、あたりはすっかり夕暮れの薄蒼い影が落ちている。
ぬるい風に吹かれた草木の葉擦れの音を遠くに聞きながら、
ふたりは静かな田舎道を走り抜けていった。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ デカイドー弁を使いたいがためにちと不自然なほど
| | | | ピッ (・∀・ ) 古いデカイドー弁があるかもしれない…スマソ
| | | | ◇⊂ ) __
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