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多所さん×ミ島

イ反面ライ夕"ー兜の秘密組織に萌えマスタ(・∀・ )

秘密組織・ZEC丁に所属する現場指揮担当多所さん(強面兄貴35歳)と
ボスの側近・ミ島(謎の長身眼鏡20代後半、味覚障害?)です。
秘密組織だから謎ダラケ。妄想捏造上等ダ!(・∀・ )

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ミサキさんに言った「多所君はどうした!」の一言に萌えたラシイヨ。

薄暗い中で呼び出し音が響く。モニター画面から目を離し、持っていたコーヒーカップを置くと多所は
私用の携帯電話に目をやった。
普段から苦虫を噛み潰したような表情の多所だが、表示された文字を見て、片方の眉がぴく、と上がる。
仕事中に私用電話に応じる気は無い。むしろ電源を切るつもりだった。
しかし、これは出ないわけにはいかないだろう、と言い訳めいた事を考えながら仕事用のイヤホンマイク
を外し、通話ボタンを押す。
「…多所だ」
「私だ」
幾らか押し殺したような低い声で、相手は性急に告げた。
「…珍しいな、こちらに連絡してくるのは」
低いミ島の声を逃すまいと耳に受話器を当てながら、多所は椅子に寄りかかるように姿勢を変える。
プライベート用のこの番号にミ島が連絡してくるのは久しぶりだ。
恐らく部下たちが聞いたら首をかしげるような穏やかさが、自然に声に滲んでる。しかし、いつもは同席
している部下の山甲も、騒がしい鏡も、今はいない。それもあってか多所の表情が少しだけ和らいでいた。
一方、続いた相手の声は、事務的なものだった。
「…さっき、君の部下が来た」
「…何?」
鏡がまた何か仕出かしたか、と多所は姿勢を正した。
「いつものオペレーターが君の名前を使って面会に来たんだ」
山甲が、と多処の口元が引き結ばれる。だから彼女を避けて直接連絡してきたわけか?

「彼女が何をしに来たかわかるか?」
鏡なら幾つか理由を思いつかないでもないが、冷静な彼女が一体何を考えてそんな行動を取ったのか見当
もつかなかった。
「…いや」
沈黙のあとで短く答えた多所に、ミ島は侮蔑を含んだような口調で告げる。
「ゼ九トの方針を質しに来たそうだ」
何故そんな事を、と思う一方、肩をそびやかす様にしながら顎を上げるミ島の姿が目に浮かぶ気がした。
「部下にどういう教育をしている。本部の決定は」
「絶対だ」
ミ島の言葉を、多所は間髪入れずに引き取って、目を開ける。
「常々そう伝えてある」
「…部下はそうは思っていないようだぞ。君の名を騙って」
「すまなかった」
畳み掛けるように告げてくる相手に、多所は謝罪を口にする。それを聞いてしばし、ミ島は黙った。
何かを口にするのを躊躇うような、微かな気配だけが伝わってくる。
「どうした…?」
低く促すと、ミ島は軽く息を吐いてから、言葉を選ぶ様にゆっくり口を開いた。
「……彼女に、食事を見られた」
「…?」

「君だと思ったから、時間をずらさなかった」
すでにミ島の声に事務的な響きは無い。
聞きようによっては、多所にしか見られくなかったのだ、という風にも取れる、どこか拗ねたような口調に
多所は動揺し、その事を気取られまいと黙ったままでいた。その沈黙に、ミ島はさらに続ける。
「…どこか具合でも悪いのかと聞かれた」
ミ島は決められた時刻をアラーム告げれば即、『食事』と称して大量の錠剤を口に流し込む。
その痛々しいような姿を思い出し、多所の眉間に深い溝が出来た。
そして思わず、多所は囁いていた。
「少し人間らしい食事を摂ったらどうだ?一度…」
「…余計な世話は焼かないでもらいたい」
たちまち、ミ島の声は硬いものになる。
「我々の計画に変更は無い。本部の決定は絶対だ」
何十回となく繰り返された台詞を残して、一方的に通話は打ち切られた。
多所は画面を確認してから、力なく携帯電話を置いた。
薄暗い指揮車の中で、幾つものモニター画面が繰り返し『ZEC丁』のロゴを描いている。
あやうく『一度メシでも一緒にどうだ』などと口走る所だった。
そんな私的な行動を組織が許す筈が無いのはわかっていた。そして自分の告げようとした言葉が感傷に
過ぎないことも。

我々に戻る道などない。それを一番よく理解しているのはおそらく、ミ島自身のはずだ。
…それでも、この番号に連絡して来たのは彼の懊悩を表しているのではないかという気がして、遣り切れ
ない。
ミ島の笑顔を最後に見たのはいつだったろう、と多所はボードに肘を突き額に拳を当てた。
彼の笑い声など、ずっと…聞いていない。
ようやく顔を上げると、電話が鳴る前まで持っていたコーヒーカップに手を伸ばす。
まだ温かいそれに口をつけながら、低く低く、多所は呟いていた。
「…本部の決定は…絶対だ」
カップの液体を一口飲んだ多所の顔は、苦い泥水でも飲んだかのような険しい表情だった。

一方ミ島は、携帯電話を握り締め、立ち尽くしていた。
なんてザマだ。こんな電話で彼に一体何を言いたかったというんだ。それとも何か言って欲しかった?
…会いたい、とでもいうのか?多所の声を聞きたかった、とでも?まさか。
そんな筈はない。そんな感情はない筈だ。
彼は組織の一員だ。彼に特別な感情など残していない。なのに、どうして自分は、多所の声を聞くと…
暗い室内で、ミ島は微動だにしない。
何の表情も浮かべることも無く、ただ自問自答を繰り返していた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )今後の放送しだでは全否定かもしれないからイマノウチ~!


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