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鳴海探偵社にて

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                    |  一応、三たび十四代目
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ただし趣きはまるで違うよ
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )   
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※ネタです。

 学校から帰ってきたら、何故かラスプーチンがいた。

「お帰り、葛葉ライドウ!」
「帰れ」
 いきなり抱きついてこようとしたのを手近な酒瓶でブン殴り、召喚したスサノオに逆鱗撃を打ち込ませ、縄で括って転がして、スサノオに担ぎ上げさせた。
「業魔殿まで連れて行け」
「仕事速いよライドウ。まあ待て」
 背後から制止をかけられて、億劫気味に振り返る。
 そこでは麻雀牌を握った鳴海が卓に就いていた。
「居たんですか、鳴海さん」
「うん、所長だしね。居るよね、普通」
「居ても居なくても存在価値的に大した違いはありませんがね」
「大人だから泣かないよ、俺は。とにかくそいつ下ろしてやって」
 何ゆえ鳴海がラスプーチンに肩入れするのかは知らなかったが、泣かないよと言う割に泣きそうな顔をしていたので、哀れみのつもりで下ろさせる。
 ごろりと床に転がったラスプーチンは不服げに「椅子かベッドに運びなサーイ」とかほざいていたが、踏みつけた。
「それで、こいつを庇われるのは、どういう了見なんですか」
「説明するよ。まあ、座ってくれ」
「いえ、立ったまま伺います」
「まあそう言わずに座れよ、ライドウ」
「それではせめて雀卓以外の席を薦めて下さい」
「ない」
「二度ほど死ぬか糞ニート」
「ハイカラな言葉で褒めてくれても、おっちゃん解んないから、ごめんね。それはともかく状況を説明するから座れ。さあ座れ」
「上座にドーゾ」
「お前も妙な仕来たりだけ覚えるな」
 とにかく重い外套を脱ぎ、空けられていた席へと座る。ついでに何となくラスプーチンの頭に銃弾を撃ち込んだ。

「で?」
 腕組みをして半眼になり、正面に座る鳴海を睨む。
 床に転がっているラスプーチンが何を勘違いしているのやら「私のために争わないで!」という顔をしているのが非常にムカつく。
「お前が学校へ行ったあと、暇になっちゃったもんだから」
「仕事とか仕事とか仕事とか仕事とかあるんですがね」
「気付かなかった」
「二度と気付けない状態になってみますか、鳴海さん」
「遠慮するー。遠慮するから、銃でゴリゴリやらないでー」
「まあユーちょっと落ち着いちゃいなよ」
「誰かを思わせる口調をやめろ」
「ミーにまでゴリゴリやらないでー。若いからかネー、節操ないネー」
「お前にだけは言われたくない」
「とにかく最後まで説明させろ」
 額に出来た円形の跡をさすりつつ、鳴海が懇願の目をして言う。
 仕方ないので銃を仕舞い、溜め息を吐いて、促した。
「……暇になっちゃったもんだから?」
「うん、竜宮で遊ばせてもらおうかなと、ちょっくら外出してみたんだけど」
「女将と二人で天命滅門かましたい気分ですが、続きをどうぞ」
「そこにタヱちゃんが現れてさあ。妙な男に付き纏われて困ってるって言うんだよね」
「これですか」
「それだ」
「イッツ・ミー」
「性懲りもなくタヱさんに迷惑かけてる訳か貴様は」
 靴の踵で顔の真ん中、即ち鼻を踏みにじってやると、然して痛くもなさそうに「イタタ」とラスプーチンは言った。

「で、それを聞いて思った訳よ。今こそ俺の出番だ、と!」
「それでニートはどうしたんです」
「ナチュラルに言わないでほしかった。……奮戦、そいつを引っぺがし、タヱちゃんを家に帰したね」
「まともな対応じゃないですか」
 意外な言に毒気を抜かれる。
 気分を良くしたらしい鳴海は、ふふん、と胸を反らして笑った。
「で、麻雀卓に座らせて」
 抜かれた毒気が瞬時に湧いた。
「……は? 何ですって?」
「卓に座らせた」
「これを?」
「それを」
「イッツ・ミー」
 もう殆ど無意識のうちにラスプーチンを踏みつつ、訊く。
「それは……どういう了見で」
「了見も何も。決まってるでしょ」
 先ほどよりも更に大仰に胸を反らして、鳴海は言った。
「そこに生命が存在するなら、麻雀に誘うのが常だろう!」

 一瞬でも期待を持とうと思った自分が腹立たしい。

「ちなみにタヱちゃんも誘ってみたけど断られました」
「賢明ですね」

 椅子をずらして立ち上がり、つかつかと鳴海に歩み寄る。
 そして「何?」と言いたげな鳴海を見つめ、微笑むと、
「煉獄撃」
 鞘に収めたままの愛刀を打ち込んだ。
「うほっ」
 まともな悲鳴さえ上げないニートの首根っこを引っ掴み、雀卓の上に放り投げ、その上にラスプーチンを乗せる。縄で縛られて動けないラスプーチンはもぞもぞと、芋虫のように抵抗したが、銃弾を撃ち込んで静かにさせた。
 マントを羽織り、踵を返して、自身は出口の方へと歩く。
「……う?」
 しばらくして背後で意識の戻った鳴海が呻く声がした。
 そこで振り向き、微笑みかけて、傍らの仲魔に呼びかける。
「スサノオ」
 そうして雀卓を指し、短く、さっくりと命令した。
「逆鱗撃」
「あいよ」
「待ったーーーーー!」

 背後で悲鳴と壮絶な破壊音とが聞こえたが、構わず廊下を突っ切って、階段から下へと降りた。

 銀楼閣の外へと出ると、夕陽が沈みかけていた。
 鳥の羽ばたく音が聞こえて、そちらの方に視線を遣る。
 やがて鴉が降りてきて、左の肩へ、ふわりと留まった。
「………」
 こちらを見つめる緑の瞳をじっと見返し、嘆息する。
 やがて気分を変えることにし、肩に乗っている鴉に言った。
「……銀座にでも行くか」
「付き合おう」
「何があったかは訊くな」
「訊かんよ」
 聡い鴉に癒されつつ、駅の方へと歩みを進めた。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧  ニートに国土無双やられて二時間で書き上げた。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  今はスッキリしている。
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