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寅の子×鈍アフロ

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  小さい虎と鈍アフロの続きだモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  そういえば虎穴に入らずんば虎子を得ずって諺あったよね。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  >>121ノドジッコギガモエス
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

俺、何でこんな狼狽えてんだ?
此処は俺の家で、家に帰るのは当たり前で、だったらこんなにパニクらなくてもいいんじゃないの??
そう心に決めて後ろを振り向くと、何やらドス黒い空気を発散している小寅が居る。
あーれー。お助けー。
金魚の様に開いた口を開閉させる。声が出ない。本当に使えない声帯だこと。
ひょいと小寅の厳つい肩に担がれて、哀れ鈍太は荷物の様に運び去られてしまった。
「放せええ!降ろして下さーいッ!」
近所迷惑を考えてか、小声で金切り声を上げる鈍太。
けれどもそれは、小寅の背中にしか届かない。
一歩一歩を踏み締める様にして歩く小寅の、少し左右に揺れる振動が鈍太の腹部に伝わってくる。
「何処へ連れて行かれるんでしょうか?」
「怖いんですけどー」
「小寅さーん?貴方の思考が読めないのですがー」
「黙るなよ余計に怖いだろッ!」
足をバタつかせてみる。バタバタバt……簡単に押さえ込まれてしまった。
暴れだそうとする鈍太の脚を片手で抱え込んだまま、小寅は何も答えない。ただ黙って歩いているだけで。
そんな彼の背中で、鈍太は時折チラリと過ぎる嫌ァな展開を努めて無視する事にした。

何されるのかなあ→多分何もしないと思う→そんな訳無えだろ!?
って事はもしかして強姦?→いや、俺、男だし→でも小寅は俺を抱きたい→超が付く程に大いなる危機。

そんな訳でその嫌ァな展開を無視する作戦は全て失敗に終わっている上、更に嫌ァな思考に行き着く。

鈍太が脳内引き篭もりを起こしている内に、小寅はのすのすと歩を進めて止まった。
「……?」
移動しなくなった小寅に何か違和感を感じたのか、鈍太は小寅の背中に大きな疑問符を投げ付ける。
「着きましたかーっつうか何処ですか此処は」
鈍太からは道路と車と建物と自分達から目を逸らして早足で歩き去る人と電柱しか見えない。
と言うよりも、見え過ぎてはいるが肝心の小寅の目的地が見えていない。
「……家」
小寅は端的に答える。
近ッ!!! 世界が非常に狭く感じる!? 俺の家から徒歩何分よ。マジで。本気と書いてマジで。
突っ込みたい所が色々と有り過ぎて逆に突っ込めない鈍太を無視して、小寅は自分の目の前にある建物のドアを開けてのすのす中に入って行く。
無論、鈍太を担いだまま。
「いやいやいやちょっと待とう冷静になろう股下の長ァ~いお姉ちゃんはどうした?」
「帰った」
「ノォ―――――!!!!!」
「黙れ」
「はい分かりました御免なさいもう一ッ言も喋りません」
「……」
「……喋っちゃってるよ! 俺スッゲー喋ってるよ! そこ突っ込めよ!! 今! 正に!!」
ほぼ一方通行な言葉のキャッチボールの間にも、小寅の足はのすのす動く。
階段を上り踊り場に出てまた階段を上り、幾つかあるドアの一つの前に立った。

がちゃり。小寅は玄関の鍵を外してドアを開ける。
中に入り、無造作に鈍太を降ろす。
ぎい……ばたん。ドアが閉まる。ドアから見えていた、外界の美しい輝きが細くなって消える。
鈍太には、それがまるで最後の希望が潰えた瞬間である様に思えた。
小寅に命ぜられるがままに、焦って靴を脱ぐ。何とか脱げた。右腕を引っ張られて立たされる。
あああああ~~、と情け無い声を絞り出す鈍太の肩を乱暴とも言える手付きで押しやる小寅。
小寅に一押しされてよろけて後退した所で、また肩に手が飛んでくる。
ひいひい喘ぐ鈍太の目には恐怖からか、薄らと涙が滲んでいる。
両手で顔を庇い、体を竦めて落ち着か無げに小寅を見遣る様は、もう完全に典型的な苛められっ子だ。
一際近付いて来る小寅に怯えて、鈍太は力の限り目を瞑った。
「……?……??」
鈍太が細心の注意を払いながら目を開くと、そこは殺風景なダイニングだった。
きょろきょろと辺りを見回すが、小寅の姿が見えない。それはそれで不安になってくる。
「こ、小寅さ~ん?」
「何?」
突然、背後から小寅の唸り声が聞こえた。
「ぉぅうわッ!!!!」
心臓が飛び出しそうな程に吃驚した鈍太が文字通り飛び退りながら振り向くと、目の前に円筒状のモノが差し出される。
鈍太は其れを、もう心臓がバックバク言っている状態で受け取る。冷たい。見ると、烏龍茶の缶だった。
小寅は鈍太が缶を手に取るのを確認して、自分の缶をガシュっと開けた。

缶を開ける時の唇を尖らせた小寅を、鈍太は自らに渡された缶を両手で縋る様にして握り締めて、眺めた。
コイツ意外と可愛い所もあるんだよなあ、という思いが胸の奥で湧き上がる。
普段は怖いけど。大体が怖いけど。恐ろしいけれども。時々、小っちゃい所で可愛いんだよなあ。
やめて俺の単純で間抜けでとってもお馬鹿な脳細胞。コイツの何処が可愛いんですか。
小寅はというと、ソファに腰掛けて鈍太を睨んでいる。左手でソファの空いた場所を叩いている。座れ、と催促しているらしい。
……やっぱり怖いじゃないですかァ―――ッ!!!
しかしそう言える筈も無く、大人しくソファの端っこに浅く座る。
乗り物酔いに似た眩暈が鈍太を包んでいる。うん、まあ乗ってたしね。運ばれてたしね。小寅に。
「飲め」
「はいぃ!」
鈍太はプルタブを引っ張り缶を開ける。そのまま一気に中身を呷ると、幾分か気管に入ったらしく咽た。
空になった其れを小寅が持ち去る。少ししてガコン、と音が鳴り、小寅が帰って来る。
小寅がゴミ捨てに!?うわ有り得ねえ衝撃映像。
どさり。ソファが揺れる。小寅が座ったからだ。
ソファの真ん中に深く座し、背凭れの上に腕を寛げた小寅は、先程よりも明らかに鈍太の近くに居る。
ピーンチ。俺ピーンチ。黒髭よりも一触即発危機一髪。もう自分で意味がワカラナイ。
しかし小寅は何をするでもなく、重い重ーい沈黙が部屋中に広がった。
「……あのー」
先に根を上げたのは鈍太だった。

 ____________
 | __________  |
 | |                | |             ↑の諺の意味を二択で答えよ。
 | | □ STOP.       | |                  1:っていうか入っても入らなくても虎の子に襲われちゃう。
 | |                | |           ∧_∧ 2:アフロは虎穴に入らずに、これ幸いと逃げ出す。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

正解は『2の行動を取ろうとしたが、何か分からない内に1になる』です。

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