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家庭教師(かてきょー)ヒットマンREBORN! 野球少年と風紀委員長

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                    |  利簿ーンの野球少年と風紀委員長。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  今週号見た勢いダケ。
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ダケ!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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「そんなの知らないよ。寝てたから」
「ハハハハ、ありえねー!今日、試合だって言ったじゃん!
来てねーならわかるけどよー、何で学校来てんのに寝てんだよ!?」

けらけらと笑う君。泥の付いたユニフォームが、眩しい。

「活躍できたの」
「あったりまえじゃん!大勝利!オレ、ホームラン打ったんだぜ!」
「へえ」

気のない素振り。
君は、無理やり僕の居場所へ割って入ってきた侵入者。
あんなに傷つけて痛めつけてやったのに、それでも僕から目を逸らさないで、
いつも笑って手を振って、駆け寄ってくる君。

   ──覚悟の無い人は境界線からこっちへは入ってこないでください。

「おまえの反応つまんねー。……あ!そっか、生で見てねーからだな。
うん、そーに決まってらー!なぁ、今度の試合はちゃんと見ろよ?」

勝手な解釈で納得すると、次もホームラン打つからさ、と君は白い歯を見せる。

どうして君はそうやって笑うのかな。

痛みしか与えていない僕に、
対抗意識も嫌悪も見せず、媚でもないその笑顔は何なのかな。

「何か勘違いしているみたいだけど」
「っへ?何?」
「僕は風紀委員の仕事を片付けに来ただけだ」
「嘘つけ、寝てただけだろ!」
「…うるさい」
「ハハハ、やっぱおまえっておもしれー!」
「そんなに黙らせられたいの」
「わっ、トンファーはナシナシ!」

わざとらしくトンファーを避ける振りをする君に、僕は振るう気もない武器を構える。

僕は知っている。
君が以前、この場所へ日に何度も何度も訪れていた事。
この場所は君が来る前から、ずっと僕の居場所でもあったから。

        『一年坊主が屋上のフェンスから落ちたそうです。
        フェンスが傷んでいた事が原因の事故らしいですが』

                    ──違う。

僕は知っている。あれは事故なんかじゃない。

君の中身はそんな単純な物じゃない。

「ヒバ、リ?」

不安げな瞳。僕が黙ると、いつもそう。

「野球部の勝利と、ついでに君のホームラン。報告は確かに聞いた。
もう用は済んだだろ。それとも何かまだある?」
「……」

誰にでも笑うくせに、本気で突き放そうとすると、
そうやって君の瞳は完全に色を失くす。

   ──覚悟の無い人は境界線からこっちへは入ってこないでください。
   ──覚悟を持ったなら、こっちへ来て、全部受け止めてください。

「…冗談だよ。僕の側に居たいなら、居れば」
「なんだよその言い草ー…っ」

何も言わずに抱き締めた。

ユニフォーム姿の君に触れるつもりは無かったんだ。
鎧をまとっているからこそ、
儚げで繊細な君の中身がいつもよりずっと浮き彫りになって、
僕の嗜虐心と内にある警戒心を刺激して止まない。
君をどうしてしまうか分からない。

君の唇が僕の髪に降りる。
僕は抵抗しない。
君の指が僕の髪をぎこちなく梳く。
精一杯僕を促す君の動き。
僕はそれを一つ一つしっかり受け止め、
やにわに顔を上げると切なげな君の頬にようやく口付けた。

「雲 雀…」
「何」
「好きだぜ」

返事の代わりに唇で応える。君の瞳の色が揺らぐ。
そこに映っているのは僕だけ。

キスの意味なんて知らない。ただ君とこうしていると暖かい。

「君って変わってるよね」
「うわ、お前には言われたくねー!」

君を抱き締めるのが好き。
       君の広い胸で、長い腕で強く抱き締められるのも、好き。
君の本当の笑顔が好き。
       君を困らせるのが好き。
君のずれた所もイラつくけれど好き。
       君の唇の熱さも、時に理由も無く僕を求める強引さも本当は好き。

            君の全部が好き。

     そんな事絶対に口にはしないけれど。

「ホームランのごほうび」と言い訳を作ってから、
もうひとつキスを追加する。本当は、理由なんて無い。

「…委員会の仕事、そろそろ手をつけないと」
「そーだったな。わりー、忙しーとこ邪魔して。そろそろ帰るわ」
「お疲れ様」
「うん、会ってくれてありがと。またな!」

君の笑顔がいつもの色に戻っている事をしっかり確認してから、
未練なんて無いかの様に、振り返りもせず君を見送る。

                『…委員長』
 
「待たせたね。今から行くよ」

制服の襟元を軽く整え、声の主を振り返る。タイミングの良さには敢えて目を瞑って──。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ これダケかよ!
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
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