12人の明
更新日: 2011-04-30 (土) 14:05:24
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| 野豚をプ口デューススレから派生した明12人ネタ
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ある日突然、12人もの明ができたらどうしますか?
それも……とびっきりかわいくて
とびっきり素直で
とびっきり愛らしくて
とびっきりの淋しがりや。
しかも、そのうえ……
明達はみんなみんな、とびっきり!
習字のコトが大好きなんです……
いつものように耳元で煩く鳴り続ける目覚まし時計を止める。
―なんだか妙な夢を見た。
明が12人とか何とか。
あんな素っ頓狂な奴が12人…いや、2人もいたらそれこそ悪夢だ。
悪夢はベッドの中だけで見ればいい。
俺は後5分だけ眠りにつこうと再び目を閉じる。
「しゅーじー」
―なんだよ。
「ねえ、しゅーじってば」
ーうるさいな。
「しゅーじー!!」
「……あーもうウルサイ!何だよ!」
耳の近くでこしょこしょと囁かれる声に眠りを妨げられ、嫌々起き上がる。
だが、声の主は見当たらない。
確か昨日は明が泊まっていて、勝手に俺の寝床に入っていたはずだけど。
部屋を出て行ったのか、はたまたさっきの夢の続きか。
「やっと起きたっちゃ」
この声は、やっぱり明か。
声のする方を振り向いたがやはり姿は見えない。
どっかに隠れてんのか?
「こーこ、此処にいるっちゃ」
また違う方の耳から声が聞こえる。
だから、どこにいるんだよ。
もう一度辺りを見渡すと、枕の側に何か、いや誰かがいる。
それがぶんぶんと手を振っていた。
何が何だか分からないまま腰を屈めて顔を近づける。
明だった。
それも15センチくらいの。
そう、ちょうど親指と中指を広げたぐらいの大きさの明が両手をぱたぱたと広げていた。
「……夢だな」
うん、そうだ夢だ。
こういうのは大概二度寝すれば解決しているもんだ。
俺は再び布団を被る。
「しゅーじー起きろー」
15センチくらいの明が3人になって枕を引っ張っている。
悪いな、夢でもお前の相手をする暇は無いんだ。
……3人?
…なんで増えてんだ?
疑問に思い再び目を開けると明は8人に増えていた。
「おはよー」
「コンコン」
「遅刻するっちゃよ」
8人の明が好き勝手にちょこちょこと動き回っている。
夢にしては長いような…いやいや、まさか。
「………夢、だよな?」
「ノーン、げ・ん・じ・つ」
俺の左肩からまた新しい明がぴょこんと顔を出してそう言った。
おい、また増えてないか?
恐る恐る頬っぺたをつねってみる。…痛い。確かに痛い。
「…最悪だ……」
嫌でも信じたくないがどうやらこれは夢ではないらしい。
「だーかーら、現実だってさっきから言ってるじゃん」
「そうそう」
「こういうのは諦めが肝心だっちゃ」
いや、お前が諦めてどうすんだよ。
「…なあ、お前ら一体何人いるんだよ?」
ぱっと数えてみたところ10人は超えているようだ。
好き勝手動き回る明をとっ捕まえて、一列に並べてみる。
「10、11、12…12人か……」
ミニチュア版になった明を数える度に憂鬱になる。
なんで12人もいるんだよ。どうすんだよこれから。
「しゅーじー」
端から3番目の明が俺を呼ぶ。
「なに?」
「学校、遅刻しちゃうよん?」
ああ、そういえばそんな時間か。
緊急事態とはいえ学校を休む訳にはいかない。
頭痛を抑えながらのろのろと起き上がる。
ふと机を見れば明がぞろぞろと列をなして俺の鞄に入ろうとしている所だった。
そのうち何人かは制服のポケットの中から顔を出している。
「………お前、まさか学校に行くつもりじゃないだろうな?」
「え?当然行くっちゃよ」
「学校は休んじゃいけないのよん」
明達は仲良く俺の鞄に入り込んでご丁寧に内側からチャックまで閉めている。
膨らんだ鞄を見て俺の頭痛は更に痛みを増した。
「習字、おはよー」
いつもの朝、いつもの教室の風景だ。
…俺の鞄とポケットの中に入ってる明を除いては。
「おはよー。あれ習字、なんか顔色悪くねえか?」
「や、ちょっと頭痛がして……っ!」
一瞬、息が止まった。
原因はズボンの右ポケットに入った明がもごもごと動いたせいだ。
正直言って男としてその位置はマズイ。大変マズイ。
「おい、顔赤いぞ?大丈夫か?」
クラスメイトが近寄ってくる。
慌てて右ポケットを抑えると、明が小さな叫び声を上げて再び動いた。
おまけに上着の胸ポケットに入っている明までつられて動き出す。
だから、その位置もやばいんだよ。さっきから変な所ばっかり触りやがって。
「…や、ほんと心配ないっ…からっ……」
俺は無理やり話を切り上げると、急いで席につく。
教室に着くなりコレだ。先が思いやられる。
明を学校に連れてきたことを激しく後悔しながら、俺は盛大にため息をついた。
「お前ら、いい加減にしろよ……」
昼休み、誰も居ない校舎裏の階段に腰掛ける。
「だって習字が急に騒ぐから~」
「叩いたら痛いのよーん」
「習字のエッチー」
「俺なんてずっと鞄の中にいたから暇でしょうがなかったっちゃ」
「ねー、俺のメロンパンは?」
俺が千切ったメロンパンを頬張りながら、総勢12人の明達が口々に不満を述べている。
全く、この時間まで俺がどんな思いをしたと思ってんだ。
ポケットの中で動く明に息を押し殺して耐えたり、授業中うっかり喋った明の声をごまかしたり。
今までで一番昼休みが恋しかった一日だった。
「やっぱお前らを連れてきたのが間違いだったな」
自分の選択に後悔しながら、明のシャツに糸で番号を縫いつけてやる。
こうすれば明達を数えられるし、何しろ迷子になった時便利だ。
ちなみに明の洋服は、明の人数分きちんと縮んで小さくなっていた。
裸じゃなくて本当によかった。これだけは救いだ。
「…でも、なんでこんなことになっちゃったんだろうな……」
「うん…」
膝に乗っていた4番目の明が頷いた。
「俺、なんか悪いことしたのかなぁ」
「昨日マメチチ残したからバチが当たったのかなぁ」
「それともこないだ親父とケンカしたのがいけなかったのかなぁ」
1番と2番と9番の明が呟く。
「もし、このまま…」
11番の明が言いかけて、口を噤んだ。
さっきまでメロンパンを取り合っていた6番と8番の明もすっかり大人しくなってしまった。
他のやつらもみんな下を向いている。
―もし、このまま戻らなかったら?小さい12人のままだったら?
明はこの先どうなってしまうのだろう。
原因も分からないし、解決法なんて勿論見つかってない。
途方にくれて空を仰ぐと、嫌味なくらい晴れている空に綿菓子のような雲が浮かんでいた。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 12人は多すぎです。本当にry
| | | | ピッ (・∀・ )
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