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木林

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  げ仁ソだよ。玄※←低オン
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  過剰な自意識萌えだよ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
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とてつもなく疎ましい。いっそ切ってしまおうか、とも思う。
けれどこれからも否応なしに顔をつきあわせていかなければならない。
嫌なところが目に付きすぎ、自分はそれをひとつひとつ挙げていって反省を促さないと満足できない。
しかしそれは一瞬の満足で、相手にとっても一瞬の反省に過ぎないのだろう。
自分が欠点であると思う行動は繰り返される。自分は何故わからないのかと憤慨する。
そして衝突し、適度な妥協点を見つけてその諍いを辞め、一緒に仕事に向かう。
もやもやは澱のように沈殿し、お互いの心にしこりを残していく。

なぜわからないのか。なぜわからないのか。
着地点の見つからない苛立ちを抱えたまま、それでも完璧にネタを演じきる。
彼は俺を見ている。俺の呼吸を計り、悪ふざけのような掛け合いの中に筋道を通そうとする。
俺を見ている相方の表情は絶えず微かに揺り動いている。
そのことが俺を酷く傷つけているのだということに気付き、酷い屈辱感に震えた。
屈辱は強く表面を覆い、その奥の感情を曖昧にする。

掛け合いは疾走感を持って終盤へとさしかかる。
相方は、よどみなく紡ぐ言葉に間髪入れずに反応し、咬むことの許されない長セリフに小休止をいれる。
そして俺のボケをふくらます。単純なツッコミに天然で笑いを取りながらもそのひとつひとつにケリをつけ、次につなげていく。
これ以上ない集中を強要されたときの相方から放射されるものに、ちりちりとした焦燥を感じ、気のせいであればいいと願う自分にまた傷ついた。
相方のその鋭さの意味は、曖昧な感情の奥へと沈み込んでいく。
その苦い気持ちで歪んだ顔を隠すように、深く深く、礼をした。

「……すげ、ウケた。な!」
「……せやな。」
舞台袖に到着するまでの短い距離ですら我慢できなかったのか、相方は俺の手を引き、耳元で声を潜めて言った。
「アカンわ、おれ、ちょっと勃ってた。興奮のあまり。」
「うわっ!止めぇや、そうゆうの」
軽く笑い、手をふりほどいて相方を追い越す。次の舞台への出番まであと八分だ。着替えと準備のために楽屋へと急ぎながら、犯られた、と思った。
喰われたのだ。コイツに。あの舞台の上で。

「最低やお前。自己中なセックスばっかりしおって」
くそ。うっとおしい。だからエエ声で言ってやった。
玄米め。お前はそうやってずっと固まっておいたらええんや。

沈み込ませても、外から包まれるこの感じ。そうして浸食され、一杯になってしまうのだろう。
こいつがいなければ自分は崩れていくことしかできないのだ。
打算と諦念が俺にコンビの正当性を訴える。
二人でやっていくことの、前向きな理由を探す勇気を、俺はもう無くしてしまっている。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 不完全燃焼ダネ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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