花より男子 茶道家元→天パ
更新日: 2011-04-30 (土) 19:10:35
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )バショ オカリシマース
先日最終回を迎えた御曹司ドラマ
茶道家元→天パ
完結してません・・・
「フランスとかたいして遠くねぇじゃん、なっ、宗次郎」
「そうだな、フランスは遠くないよな」
「こんなのうちのジェットだったら一時間もかかんねぇよ。
あーあ累もうちのジェットで行きたいなら行きたいって言えば乗せてやったのになー
強情なやつだぜまったく、なっ宗次郎」
世界地図のロシアを指差しながら柄砂が喋る。
片手に持っていた赤ペンに累のいないロシアはあっと言う間に塗り潰されていく。
柄砂は昔から親の仇みたいに筆圧が高いからペンの先はすっかり潰れている。
日本から一時間以上掛かるフランスもロシアもきっと柄砂にとってはそう変わらない。
日本に累が居ない、それだけが納得し難い事実として舌ったらずの言葉達を必要以上な饒舌さ
で引っ張り出す。
「面白くねぇ」
累がいないと、
そう続くだろう煩わしさが柄砂は気に食わないのだ。
その煩わしさをきっと人は「寂しい」と呼ぶ。
ただ柄砂だけがその煩わしさの意味に置いて行かれる。
置いて行かれても柄砂は意味に気付かない。でもそれでいい。もしも柄砂のおつむがもう
ちょっとでもまともなら今頃もう東京にはいないだろう。
累と一緒にシャンゼリゼ通りなんかで温かなハーブティーにビスコッティなんて浸して
頬を薔薇色に染めて優雅にアフタヌーンティーでもしているだろう。
それを想像するだけで柄砂のおつむの具合に安心する。俺は「寂しい」と気づいてほしくな
いと思っているのだ。あまつさえ「寂しい」を忘れてくれればいいと願っている。
どこまでも他力本願で無力だ。
だから俺はただこうやって柄砂のとりとめのない話を聞く。
話を聞くのが俺じゃなくてもいいことも、話の向こう側に類しか居ないことも身と言わず
骨まで染みてよく軋む。
世間はそれを恋と呼ぶんだぜ
可愛い女の子が好きだ。
胸の大小にはこだわらないのがこだわりだ。
可愛いという事実だけで生きている女の子なんか最高にいい。
可愛い女の子に重たいバックグラウンドや悲しい過去なんて1mgだって
必要ない。
俺に寄ってくる女の子たちはそれをほぼ100%備えている完璧な女の子たちばかりだった。
その完璧な女の子たちとの甘ったるいセックスは最高に気持がよかったし
若い俺の体を十二分に充たすものだった。けれどその甘やかな行為の最中だって
一度柄砂からの電話があれば体内温度は急速に冷えてしまうのだ。
「もしもし宗次郎、俺だ。」
俺は馬鹿なのか健気なのか多分馬鹿なんだろうなと無駄な自己分析とおざなりなセックス
でその場をなあなあに切り抜けてはいそいそと柄砂の元へ急ぐ。
珍しくもない呼び出しは大半があるようでないような
(例えば柄砂の話相手だとか話相手だとか話相手だとかつまり話相手だ)
用事ばかりだったが俺は当然のように呼び出しに応じた・・・。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウデス シツレイシマスタ
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