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キス

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                    |  ナマモノにつき伏せ。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ドラム×ベース。
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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Q.どうして俺はアルに押し倒されとるんでしょうか?

A.それはユーが根本の部分で甘いからじゃない?

質問に質問で返されても。
混乱する頭を必死に立て直して、アルを乱暴に突き放したら、捨て犬のような目で縋られた(!)

「キスしてもエエ?」

いきなり真剣そのものの顔して訊かれた。
それも何の脈略もなく。
「なんで?」
「確かめたいことがありましてん」
答えにならない答えが返ってきてどうすればエエのか悩んでいると、その沈黙を承諾と受け取ったのかアルは顔を近づけてきた。
普段、ヘタレとるから忘れがちやけどアルも黙っていればオトコマエやなぁ。
まぁ、俺たちの周りは皆そんな奴ばっかなんやけど。
って、違うやろ!

「ちょっ、まて!」
慌てて押さえつけられていた腕を力いっぱい振ると、、アルはきょとんとした顔をして俺から手を離す。
ついでに落ち着くために深呼吸して、座りなおす。
「お前、何を確かめたいねん」
「あんなぁ、俺のカノジョってキス上手なんよ」
「ノロケか?」
「でな、俺は下手なん」
何でそんな悲しそうな顔すんの、お前。っちゅーか、俺の言葉は無視か?
しかもでっかいカラダを縮こませて小さくなってもうて。
俺が苛めとるみたいやないか。困惑させられとるんは俺のほうやのに。

「やから、教えてもらおうと思うて」
「何で俺やねん」
「キスがうまそうやから」
照れもせず、真顔で言ってのけるアルを思わずまじまじと見てしまう。
確かによう見れば繊細な顔立ちと言えんこともないけど、女の子にはとても見えない。
それに顔が綺麗なだけな人間なら、短くもない芸能生活の中で何人も接してきた。
特に俺たちが所属しとる事務所は美少年・美青年の代名詞みたいに扱われているくらいやから、俺や、アルレベルのやつは腐るほど居る。
でもな、アルの唇ってどこかセクシーやと思うし、薄い唇とその下にある黒子がなんか色っぽい。
ファンの子が騒ぐ気持ちも分かる。
……なんてホンマはずっとこの唇にキスしてみたかった。

「エエけど俺もそんな上手いほうやないで?」
冗談めかして言うとアルの顔がぱぁっと明るくなる。わかりやすいなぁ。
「ありがとっ」
「なら、まずお前がどれくらいキスが下手なんか、言うてみろ」
偉そうに踏ん反り返ると、アルは姿勢を正す。
「言葉やと説明しにくいんやけど、アイツとキスしていると頭真っ白になって余裕なんか吹き飛ぶん。やから、アイツが気持ちええのかどうかもわからんの」
しょぼーんって音が聞こえてきそうなアルやけど、言うてる内容はノロケやんけ。
言えって言ったのは俺やけど、なんだかムカついてこれ以上聞きたくなくて、アルの唇をふさいだ。

レクチュアなんて軽い響きでもノリでもなく、むしろ嫌がらせかっちゅーくらいにアルの咥内を貪った。
女とは違うて、柔らかくないし、化粧の味もしないのに、これでもかって心臓の音ががんがん響いた。
時間に直せば一分も触れていなかったのに、俺の中では時間が止まったみたいやった。
トートツに理性が戻ってきて、アルから唇を離すと、やつは頬を上気させてぐったりしとる。
「どうや、わかったか。カノジョにもこんなんかましたったらええねん」
動揺を隠すために、わざと偉そうにしてやると、アルは息を整えながらコクコク頷いた。

あー、もう。何でこんなやつに惚れてるんやろ、自分。
ホンマにサイテー。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 魔がさしたんだと思う。後悔はしてない。
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