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エロゲ 同級生2 主人公×コンビニ兄ちゃん

>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )投下します。
エロゲ同級生2 SS版 主人公×コンビニ兄ちゃん

俺は知っている。

「いら、……またお前かよ」
竜二が舌打ちをした。コンビニセブンスマート。
けちなオーナーのせいでバイトはいつも一人しかいない。
竜二は両手を腰にあてて面倒くさそうにいった。
「残念だったな。ひろ子はいないぜ」
「まじか!」
しまった、という表情を俺はしてみせた。けれど本当は知っている。俺は知っている。
ひろ子は俺の通う学校の男子生徒が根こそぎ憧れて
コンビニフリークになってしまうような美人バイトだが、
俺がここに来る理由は彼女にはない。
「じゃあ、さっさと帰れよ。お前、本当にここによく来るな」
俺はここぞとばかりに言ってやる。
「バカだなぁ。俺は君に会いに来てるんだよ」
「……」
さすがに芝居がかりすぎていた。呆れられている。

「そんな可愛そうな子を見る目で見るな。
客商売だってのに本当によくそんな態度が取れるなぁ」
「お前が客だったらな。ったく、たまにはなんか買えよ」
「分かったよ。おみくじを引いていこうかな。ある?」
「ねぇよ!」
怒りながらも真面目に受け答える竜二に俺は思わず笑みをこぼす。
それが気に食わないらしく、竜二はまた舌打ちをした。
「大体、コンビニ入ってすぐレジにくるな、レジに。店内の商品を見ろ」
「なんでだよ?レジの周りにだって商品あるからいいだろ?」
俺はふと視線を上の方に向ける。
「……あのな、未成年にゃ煙草は売れないからな?」
……自分だって未成年のくせに。俺は知っている。
俺がこのコンビニに入って竜二と出会ったのは先週のことだ。
それが2学期終業式のことで、今現在俺は、冬休みを利用して足繁く通っているわけだ。
最初は軽薄そうなにぃちゃんがいるなぁ、と思っていたが、
見た目に反して妙に生真面目だったのが面白くてからかいつつも色々と話をした。
俺のような奴は無視してればいいとも思うのだが、竜二はかなり律儀な性質らしく、
聞けばたいがいのことは答えてくれた。

勢いづいて聞いてもいないことまで答えてくれることもしばしばあった。
少し年上に見えた彼は中退、のちフリーターの道を辿った同い年の男だった。
18歳で職歴2年。それはそれで立派な一つの生き方だと思うが、
彼は俺のようなお気楽学生を目の敵にしている節があるので、
どうやら自分がいきたくて進んだ道ではないようだった。
詳しいことはよく分からない。
ただ、一つだけはっきりしているのは、
嫌われているのは学生というカテゴリーであって俺自身ではないと言うことだ。
「なに人の顔見て物思いにふけってんだよ。
言っとくけど、どんだけ頼まれても煙草は売らないからな?」
俺は我に返る。
「……別にいらないよ、煙草なんて」
「ならいいけどさ。で?暇つぶしなら帰れよ」
「コンビニってヒマツブシするためにあるんじゃないのか?」
「もしそうだとしても、お前はするな、って言ってるんだよ」
「差別するなっつーの」
「特別扱いだ、喜べ」
竜二がにやり、と嫌みったらしく笑う。
それなのに特別の一言に気分が浮上する。我ながら、馬鹿だ。そんなの俺は知ってる。

「ほらもう、俺、棚卸するからさー、男同士でずっと話をしてても楽しくねぇだろ?」
「確かにな」
俺は嘘をつく。すっげぇ楽しいよ、お前と話すためにここに来てるよ、
あわよくばカウンターに押し倒したいよ、などと本音で答えては、関係をぶち壊してしまう。
俺は男も女もどっちもこいだが、竜二は多分、というか絶対完璧にノーマルだろう。
彼女はいないと言っていたが、だからといって先週知り合った男に心も体も差し出す道理は無い。
無茶だ。そんなこと俺は知ってる。
俺と話すとき、面倒くさそうだったり怒ったりしているが実はまんざらでもなく、
話してると楽しいと思っていることは確かで、俺の事を本気でうざったくは思っていない。
それは知っている。だが別に好きではないだろう。
ちょっと面白い奴くらいの認識はあるだろうがそれは恋愛感情じゃない。
俺は抱きたいと思うほどには竜二のことが好きなわけだが。好きなどというとうそ臭いかもしれないが、
「恋に落ちるのに出会ってからの長さなんか関係ないんだぜ」
おっと、自分に酔いすぎて思わず声に出していた。竜二が俺を覗き込んでくる。
その表情は2割が心配、1割が呆然、残りが引き気味だ。

「お前、なんか悪いもんでも食ったのか……?」
「どういう意味だ」
「熱でもあんのか……?」
それには答えず俺は竜二の髪の毛に触る。目の前に近付いてきたこいつが悪い。
「触るなっ!」
「いや、寝癖かと思って」
「お、お前なぁ、この髪型にするの時間かかってるんだぞ」
そんなこと俺は知ってる。
「あっそ」
めちゃくちゃな色に何年間も染め続けてきたのだろう髪は指通りがよろしくない。
「撫でるなっ」
「別にいいじゃん」
「よくねぇっ」
竜二は頭を振るった。それから俺に聞いた。
「……お前、男が好きなのか?」
「気持ち悪いことを言うなよ」
俺は心にも無いことを言う。はいそうです、などと答えた日には二度とこいつの前には姿を現せない。

「違ったか?俺って、こう見えても男にもてるんだぜ?」
「…………それって全然自慢になってないぞ」
「そっか?」
俺はちょっと焦る。いや、ちょっとまて、つまりこれは、
……千載一遇のチャンスなのか?いやでも待て、
男が好きだとは言ってない。言ってないが、もてる、と言っているということは
少なくとも男が好きな男に耐性があるということだよな?
待て待て待て、もてるってそもそもそういう意味か?
「どうしたんだ?」
「いや、あー、別に……」
「なんでもないのか?ならもう帰れってば」
「いや、まだ帰らない」
「いつまで待っても今日はひろ子こねぇぞ?」
「いや、だから」
俺は思わず真顔になる。
「俺はお前に会いたくて来てるんだよ」
「……」
沈黙。竜二はわずかに驚いた顔をした。
最初に言った時よりも俺があまりにも真剣だからだ。
なにやってるんだ、俺は。気持ち悪い、とか言われて終わりだぞ。
そんなこと知っているだろう。

冗談にしてしまおう、まだ、今なら間に合うと、
俺が口を開きかけたとほぼ同時に竜二が口を開いた。
「よせよ、俺にそういう趣味は無い。
……まぁ、少しだけなら考えてもいいけどさ」
冗談めかして竜二が言った。だが、それを聞いた瞬間、
俺の理性はものすごい勢いでぶちぎれた。
竜二の襟首を掴み引き寄せ、口付けしていた。

俺は知っている。
この店の監視カメラがハリボテだってことも、この時間には客が全く来ないってことも。
だから、少しくらい長いキスをしたって誰にも見られないってことも。
俺は知っている。
けれど、竜二がこのとき既に俺の事を好きだったってことは、
あと数ヶ月たち、いくつかの試練を乗り越えて晴れて恋人同士になり、
そこからさらに数ヵ月後、同じ布団の中で、夢うつつの中竜二が語るまで、

俺は知らない。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )オワリ
勿論ゲーム本編では落とせません……


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