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|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ナマモノ 京都×兵庫

アルと電話で大喧嘩をした。
最初は普通に下らないこと喋っとった筈やのに、話が進んで行く内に舌戦はエスカレートして頭の芯が熱くなっていく。
気が付いたら話題とは全く関係ない日頃の不満とか、ぶつけ合うていた。

『何なん、自分? ヤスがそんなに分からず屋だとは思わんかった』
「アルこそ、アホやアホや思うとったけど、ここまでほんまもんの阿呆やとは思わんかった!」

お互いに自分の真意が分かって貰えないことが悔しくて悲しくて。
そのせいで容赦ない言葉が飛び出す。馬鹿でかい声が耳に響く。
普段は温厚なアルやから、余計にそのキツイ言葉が胸にザクザク刺さる。アルにも、そんな自分にもメッチャむかついた。
これ以上は無理やってくらいぶつかったら、とうとうアルに
『今までどうもありがとうございましたっ!もう二度とますぅには話しかけませんっ!!』
と電話を叩き切られた。
ツーツーいう音で少し冷静さを取り戻し、思い切り凹む。
言い過ぎたかな。せやけど売り言葉に買い言葉やったしな。アルもたーくさん言うたしな。
せやけど、どうしよ。ほんまにアルが俺のこと嫌いになったらどないすればエエんやろう。俺はアルのこと嫌いになったわけやないしな。
明日会うのが嫌やな。怖いな。どうすればええ? 頭ん中ぐるぐるする。

……が、十分も経たん内に電話がかかってきた。
着信*アル*の文字に出るのを躊躇う。
それでも九回コールを数えてから出ると、いきなりずびびびびっ、と鼻水すする音が聞こえた。
『ま、ます……ご…ごめん、なっ…さい…。言い…過ぎた……。嫌わんとい、てぇ…』
と、涙声で言葉も途切れ途切れのアル。
「二度と…」とか自分から言っといて、十分も持たなかったやん。
そんなアルがなんか可愛くて愛しくて怒りもぶっ飛ぶ。そして心の底から安心している自分に苦笑する。

「俺もゴメンな?言い過ぎたのは俺もやし、おあいこや。ほんまにゴメンな」
素直に謝ると、アルは鼻水を啜りながら相変わらずの涙声。
『エエの? 許してくれるん?』
「うん。アルと二度と喋れんのは嫌やもん」
わざとおどけて言うたら、アルが電話の向こうで笑った気がした。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )ヤツラナラ、コンナ セッテイデ コントシソウダ


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