from【やい】電波な受と攻になりきりませんか【お前ら】スレ『雨』
更新日: 2011-08-13 (土) 13:46:38
「幸せそうにといおうほかのことはいわない」(『種子と表皮』 トリスタン・ツァラ)
また雨が降るだろう。弟はひざを抱えたまま空間を見ている
病的に白く細いからだは薄い服に包まれている
この薄暗い部屋の中ではそれが光を持つようだ
しかしその目はその肌ほどに輝くことはない
雨が降るのだろう。
半年前に実の父親が死んだ
俺は両親が離婚した後母親についていったので
父親のことは覚えていない
弟は父の後妻の連れ子だった
でもその後妻とやらは父にとついですぐに死んだらしい
今は父も母もいないこの家で俺はこの見知らぬ弟と2人で暮らす
他に誰もいないから。
弟は父の葬儀が終わった後俺にはじめましてと言った
目の大きい賢そうな少年だった
色が白く唇が薄く奇麗な顔をしている
それが印象だった
はじめましてと俺も言った
奇妙なことだった。
利発な少年は自分が俺の弟であること
父が死んで父の家は俺の家になること
学校が近いからそのまま自分を父の家に置いてほしいということを
手短に言った
俺はそれまで住んでいた狭いマンションを売って
父の残した家に引っ越した
そして赤の他人の弟と暮らし始めた。
9歳離れた弟は1人で勝手に学校に通った
それなりに暮らしは上手く行っていた
ただ雨の日になると弟は部屋から一歩も出てはこなかった
ドアに耳をつけると泣き声とときどき叫び声が聞こえた。
雨の季節になった。弟はほとんど学校に行かなかった
一週間も降り続くと
流石に俺も心配になった
何か食べているんだろうか
病気になったりしないだろうか
そっとドアをノックすると
部屋の中の気配がやんだ
「許してください」
小さな声が聞こえる
俺には意味がわからない
何か壊しでもしたんだろうか
でも彼の部屋にあるものは
全部彼自身のものだ
もう一度軽くノックする
雨の音に邪魔されて
その音は不吉なようだ
「どうかもう許してください 入ってこないで こないで こないで
あなたはもう死んだはずでしょう 入って来て 待っていたんです…」
俺には意味がわからない
ためらうもドアを開ける
小さな弟がベッドの上で毛布をからだに巻きつけて
目をむいて震えつづける
どうしたんだろう
そっと肩に手をかけると
弟のからだはびくりと動いた
「茶の間に行こう 何か温かいものを食べよう
こんなところにいると体によくないよ」
弟の目が始めて焦点を合わせる
「お兄さん」
でもまだからだは震えている
「行こう」
手を取ろうとすると
弟は首を横に振った
「先に行ってくれませんか 僕は1人で行きますから」
飲み物を作っていると
弟はいつもよりもずっと青い顔をしてふらふらと現われた。
弟はいつもよりもずっと青い顔をしてふらふらと現われた。
「やあ茶の間も一週間ぶりじゃないのか」
俺がそっと訊くと
「一昨日の明け方にちょっとだけ雨がやんだので来ましたよ」
と言った。
鬱病じゃないのか
「雨が嫌いなのか」
「そうじゃないんです そうかもしれません
僕は雨が怖いんです 雨が怖いのじゃないんです テレビをつけてくれませんか」
テレビをつけたが弟の混乱は収まらなかった
「どうしてなんだろう 僕はもうここにいるのはいやなのに
あなたはもう死んだんでしょう でも雨が降るんです だから怖い」
弟の様子は尋常ではない
会話がかみ合わないうちに簡単な食事をとって
イスの上で固まってしまった弟を部屋に入れることにした
精神科に見てもらったほうがいいのだろうか
部屋に弟を連れていきベッドに座らせて
俺は部屋を出ようとした
「どうしてですか どうしたのですか いつもみたいにすればいいじゃないですか」
振り返ると弟が俺のことを見つめていた
雨の音が聞こえる
「…どうしたんだ?」
側に近づいて顔を覗き込むと
弟の目はやはり焦点を捉えないまま
眉をひそめている
それは女がいく時の顔に似ていた
「…んっ」
弟がこらえきれないという風に目をつぶってうつむいた
「…あ 雨が…僕は…お願いです 抱いてください…雨が降っているのに
あなたが来てくれないから…だから…」
弟の視線の先に目をやった
弟の股間は膨らんでいた
弟のその白さ細さからは想像できない熱い手が俺の手をとり導き
手よりももっと熱いジッパーの中へ
「ん…ああっ…」
白い華奢なからだがはねる
行き場のわからない手が硬くなったものに当たってこすれているだけなのに
目はすでに潤んで息は熱い
「お願いです してください…お願い」
俺はどうしたらいいのかわからなかった
そのうちに弟は俺の唇を吸い 舌を絡めてきた
また俺の身体を抱き寄せると
自分の身体ごとベッドに沈めた
雨の音が聞こえる
弟のため息が聞こえる
弟の甘い声が聞こえる
弟が涙を流している
それは嫌悪や後悔ではない
その涙に意識はない
なぜなら弟は何も見ていない
今彼はただの壊れた人形だ
弟は何度もいった
俺も何度もいった
弟の上に 中に
何度いっても弟は求めた
自ら俺のものをしゃぶり腰を振り
身体を震わせた
熱に浮かされたようなあの顔を
俺は誰と寝るときも思い出すだろう
今日は雨の音は聞こえない
弟は顔を合わせぬまま学校へ行った
天気予報では
この天気は3日と持たないらしい
- 腰を振 -- 2011-08-13 (土) 13:46:38
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